(聞き手)
住民
説明会で話すためには知識が必要ですが、結構勉強されたのではありませんか。
(髙嶋様)
自分の都合のいいように解釈しているかもしれないですが、
説明者は逆に素人の方がいい場合があります。結局、素人の人に
説明する訳なので、素人の方が意外と分かりやすくポイントを押さえて
説明できるのかなと思います。住民
説明会において、深く技術的なことを質問されると周りの職員にお願いするというようなこともありましたが、基本的には、難しいことでも分かりやすく自分で答えるよう努力しました。時間がない中で急いで勉強したこともあり、ポイントを絞って覚えました。そのため、
説明をするときにも、きっと聞いている人がこの部分が分かりづらいだろうという気持ちが
理解できるので、分かりやすく
説明できる部分もありました。
(湯澤様)
確かに、県庁職員は住民と接する機会は比較的少ないですね。ただ、
廃棄物関係の業務ですと、「産廃施設の計画の内容を教えてほしい」とか、「市町から地元の人が
説明を聞きたいと言うので来てくれませんか」という話がよくありました。あとは、苦情なども来ますので、
廃棄物関係を担当していると、比較的住民と接する機会もあります。
あとひとつ、今回のように一般住民の方と話しているときは、やはりディベートでは駄目だと感じました。要するに言い含めるとか、はぐらかしてそこをクリアするとか、そういう
説明の仕方だとなかなか前には進みません。今の高嶋の話のように、本当に分かりやすく丁寧に
説明するのが必要だと思います。どうしても、重箱の隅をつつく人にはディベート感覚でやり込めてしまおうみたいなところもありますが、そういう人達にもやり込める言い方ではなくて、丁寧に
説明する言い方で話していかないと、なかなか収まりませんので、その反すうが大変でした。いろいろと宿題を貰って帰ったりしましたが、人にはそれぞれの考え方があり、まさに十人十色ということを実感しました。
(聞き手)
住民の方に
説明するには、そもそもどうして広域
処理をやらなくてはいけないのかという根本の
説明が必要ですが、その部分というのは、困っているから助けようという思いでしょうか。それとも国からの要請があったからなのでしょうか。
(湯澤様)
どちらかと言えば、困っているから助けようという思いの方が強かったと思います。だから、最初は被災状況の映像のDVDとPCとスクリーンを担いで住民
説明会に行って、始めの15分くらい映像を流しました。「被災地はこういう状況ですよ、何とか助けましょう」ということを
理解してもらおうと考えていました。本県も大体7~8割方のがれき
処理が終わり、県としては何とか助けたいという方針でした。受入れに向けた市町の意向調査を行い、知事から市町に協力のお願いをしていただいてから、市町の住民
説明会に入っていったという感じです。